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世界最大級の地下空洞掘削に向けた地盤調査が大詰めを迎えています

ハイパーカミオカンデの超巨大空洞掘削が、来年度からいよいよ始まります。この超巨大空洞は内直径69m、高さ73mにもおよぶ円筒部と、それを支えるドーム部からなり、完成すれば世界最大級の地下空洞となる予定です。カミオカンデ、スーパーカミオカンデと積みあげられてきた成果をさらに飛躍的に向上させるには、どうしてもこの規模の空洞が必要となるのです。

スーパーカミオカンデの8.4倍の有効体積を持つ水チェレンコフ検出器がこの空洞の体積をいっぱいに使って構築され、大強度陽子加速器J-PARC の大強度化と組み合わせることにより、宇宙・素粒子研究における新たなブレークスルーを狙います。ニュートリノ振動の究明による宇宙における物質起源の解明や、素粒子の統一理論の証拠となる核子崩壊の発見、超新星からのバーストニュートリノや超新星背景ニュートリノの観測によるニュートリノ天文学の飛躍的発展を目指します。ハイパーカミオカンデは、このような基礎物理学の国際的基幹装置を、20年以上に渡って提供する計画です。

超巨大空洞掘削に向けた地盤調査は、今まさに大詰めを迎えています。これまで、最適な空洞の位置を特定するために、様々な地盤調査が行われてきました。今年度はその決定版として、総長96mの新設調査坑道と総長725mのボーリングの掘削を組み合わせた、大規模な調査が行われています。

空洞想定位置の周辺の様子を、ボーリング及び横向きの坑道(横坑)掘削を通じて調べています。空洞掘削予定地を貫くボーリングでは、空洞予定地附近の岩盤の状態を詳しく確認しています。

HK空洞予定地を貫通するボーリングによる、空洞掘削予定地周辺の地盤調査。

2020年7月には調査横坑の掘削が完了し、ハイパーカミオカンデ水槽のドーム部中心地点に到達しました。ここでは現場にて岩盤の特性を調べる、原位置試験などが行われています。地盤調査は順調に進捗しており、来年度から始まるアクセストンネル掘削、それに続く空洞掘削の最終準備が整いつつあります。

HKドーム部の地盤調査のために掘削された横坑。横坑の終点付近、空洞ドーム部の中心地点の天井には、地盤調査業者によるHK中心のマーク(中央下)。