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ハイパーカミオカンデの電子回路を開発中です

ハイパーカミオカンデの光センサー1本1本からは、受光量に比例した電気信号が出力されます。ニュートリノや陽子崩壊などの事象観測を行うためには、信号が出力された時間と電荷量を精度よく測定する電子回路が必要となります。

現在、専用の電子回路の試作、評価が行われています。

もし、光センサーから届いた電荷量に比例した時間幅を持つパルス(信号)を作ることができれば、信号の立ち上がり時間と立ち下がり時間を測定するだけで、光がセンサーに届いた時間と、受光量を測定することができます。スーパーカミオカンデでは、電荷量を時間に変換する専用のLSI(大規模集積回路)を開発し、用いてきました。

スーパーカミオカンデ用に開発されたLSI CLC101( ICRR/岩崎通信機(株))

ハイパーカミオカンデにおいては、同様のLSIを使うことを検討しており、現在はスーパーカミオカンデ用のLSIを用いて試験を行っています。

時間の測定には、FPGAと呼ばれるプログラミング可能なLSIを用いることを検討しています。FPGAは一般にも広く使われており、近年その性能がどんどん向上し、10-10秒の精度での時間測定すら可能となってきています。 これら二つを組み合わせる評価システムを米国の研究所・大学のグループと共同で開発しています。

米国と共同開発しているボード

また、全く新たな手法として、波形を記録する専用のLSI(FADC)を用いる手法についても開発研究を行っています。こちらは、電気信号の波形を1秒間に数億回記録、波形データをさらに信号処理することによって、信号の入力時間や電荷量を精度よく測定しようとするものです。こちらのシステムはカナダとポーランドのグループと共同で開発しています。

これらの開発を通し、1検出器あたり50,000本の光センサーからの信号を精度よく、小さい消費電力で記録するシステムを安価に構築すること目指しています。

カナダやポーランドのグループと開発しているボード