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実験原理

チェレンコフ光ハイパーカミオカンデ検出器では、ニュートリノを検出するための媒体として大量の水を用います。ニュートリノは他の物質とほとんど反応しないため検出が大変難しい粒子ですが、ごくまれに検出器内にある水(酸素と水素)の原子核や電子と衝突したとき、電子ニュートリノは電子を、ミューニュートリノはミュー粒子を放出します。電子やミュー粒子は電荷を持つために、チェレンコフ光という光が放出されます。

写真チェレンコフ光は、水中を走る荷電粒子の速度が光の速度より速くなると放出されます。水中での光の速さは、水の屈折率の影響を受け、真空中での光の速さより遅くなります。

このチェレンコフ光は、荷電粒子の進む方向に対して円錐形に放出されます。ハイパーカミオカンデでは、水槽の壁面に取り付けられた光センサーでこのチェレンコフ光をとらえます。光センサーから得られた光の量やリングの形、光の到達時間などから、ニュートリノのエネルギー、方向、種類などを決定できます。

なぜ地下で実験するのか?

地球上には主に陽子からなる一次宇宙線が常に降り注いでいます。宇宙線が地球上の大気と衝突すると、ミュー粒子や電子やニュートリノなどが生成し、地表に降り注ぎます。ここで生成されるミュー粒子は、ニュートリノの観測にとって邪魔になります。

地中にもぐると、ミュー粒子の多くはエネルギーを失って止まります。例えば地下1000メートルの場所では宇宙線ミュー粒子は地表の10万分の1にまで減少します。一方ニュートリノは物質とほとんど反応しないので、土の中も通り抜けて検出器まで到達します。

こうして地下に潜ることで、邪魔なミュー粒子を遮る傘をさしたようになり、ニュートリノの検出が可能になるのです。